人それぞれの症状というもの

精神科専門病院に入院して,様々な症状の方々と出会いました。
ある日,気になる症状の方がいて,医師に尋ねてみたところ,「全て,その人の症状の一部だと思ってみてください」と言われたことがあります。その人その人それぞれに個別の症状があり,「うつ病」とか「統合失調症」とかの病名でその人に変なレッテルを貼らず,その人の仕草・行動はその人の症状そのものなのだとして受け止めてあげるようにとのことでした。

大きな声で,看護師に罵詈雑言をぶつける人も,何かを叩いて大きな音を立てる困った人も,本人には悪意はないのです。

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(画像はイメージです。)

実際,病棟にはいろいろな患者さんがいました。例を挙げれば,
・病室やろうかを絶えず歩き回り,スリッパの音をパタパタさせて落ち着かない患者
・水をがぶ飲みしては,トイレに何度も入り,水を吐き戻すことを繰り返す患者
・衣服が盗まれたと主張し,看護師の名前を連呼する患者
・「おやつ」の時間のアナウンスがなかったと主張し,看護師に抗議する患者
・自室以外の部屋に侵入し,他の患者の持ち物を自分のものだと主張し,あれこれ持ち出す患者
・幻聴がきこえるらしく,耳に詰め物をしている患者
・食事の際の定位置に他の患者が座っているのを見て,パニックに陥る患者

本当に様々な症状の患者に出会った。このような個別の症状・行為が,精神疾患に関する教科書的な書物に事細かに書かれているかどうかは存じ上げません。
もっと一般化されて,思い込み・被害妄想・虚言癖・多動性・不安障害・物忘れ・躁鬱状態などの言葉で説明されるのかもしれません。

精神疾患の症状は本当に多様で,患者に接することのむずかしさを実感しました。


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