臨床心理士との出会い~カウンセリングと心理検査

はじめに就職した会社を退職してからも,いくつかの事業所に通ったが,うまくいきませんでした。
仕事の負荷に耐えられないこともありましたが,どちらかというと,人間関係の要素が大きかったように思います。

普通の人が,普通の職場で,日々ストレスに耐えながら,業務をこなしている。
自分は何でそれができないんだろう?

もちろん,私のストレス耐性が低いことは原因のひとつです。
ですが,もしかすると,一度精神的にバランスを崩した体験が,未だに尾を引いているのかもしれない。
そう考えるようになり,医療施設に通うようになりました。

医師の診断結果は「うつ病」。
どうやら精神に異常を来しているのは間違いないようでした。

転勤・転職に合わせて,何度か精神病院やクリニックを替わりましたが,あるクリニックで集中的に「カウンセリング」というものを受ける機会がありました。
自分を見つめ直すきっかけにどうだろうかと医師に勧められたのです。

臨床心理士との初めての出会いでした。
私を担当してくれた臨床心理士は若い男性で,おだやかそうな方でした。

「臨床心理士」は心のケアをするスペシャリストで,心理学の知識や技術を用いて心の問題を解決に導こうと努めます。
ちょっと古いですが,手もとの「資格の取り方・選び方 全ガイド」を参照すると,臨床心理士の試験は,文部科学省の認可する財団法人が実施する難しい試験のようです。少なくとも,指定大学院を修了していることが受験要件で,試験内容は選択式の筆記,小論文,口述面接試験などで非常に敷居が高い。
とすれば,目の前で穏やかに話しかけてくれる「臨床心理士」は,私にとっては「先生」のような存在です。

聴診器~心を聴く.jpg
(画像はイメージです。)

臨床心理士とのカウンセリングは複数回に及びました。
はじめは生活上の困難なことに焦点が当てられましたが,次第にカウンセリングの内容は,私の生い立ちに及びました。
仕事の経歴・内容,学校生活のこと,幼少時の体験など。
どうやら,現在罹患している精神疾患の病状以外にも,患者の性格・気質なども重要な情報のようです。

とりわけ,幼少時から学生時代のことを訊かれることが多かったため,正直に「ほかの子とはちょっと違う,変わった子」であったことを話しました。
興味・関心の大部分が,友達関係・テレビ・ゲームなどではなく,「自然」でした。
学生時代に大きな困難を感じたことはないけれど,友達との付き合いはそこそこに,やや内向的であったことなども伝えました。

いくつかの「心理検査」というものも受けましたが,大部分は失念しました。
そのなかで,かろうじて記憶に残っているのが「ロールシャッハテスト」というものです。
これはかなり有名なテストらしく,ボードに描かれた左右対称に「滲んだ」ような絵柄を見せられ,何に見えるか,どこの部分が,それはなぜかなどが問われます。

この絵柄が見方や時間の経過とともに,いろんなものに見えるのです。
このような「心理検査」の結果を臨床心理士の方がどのように処理したのかは不明です。
検査には素直に回答しましたので,私の性格・傾向はかなり精度よく掴んでいただけたと思います。

臨床心理士との面談を幾度か重ねて,心理士や医師から指摘されたのは,私の興味・関心の幅が極端に狭いことでした。そして,そのことは,学生時代の勉学ではプラスに働いたのですが,就職して,マルチタスクを要求されるようになると,それについていけなくなること,他人とのコミュニケーションに支障を生じる可能性が高いことなどの解説がありました。

成人して,就職してからなぜかうまくいかない。
この原因の一端が分かったような気がします。
臨床心理士の先生と重ねた面談は新たな「気付き」を与えてくれました。


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